2024年5月3日金曜日

開催

・「伝統の『壁』なくし今年も4日から開催 『動物虐待』と批判の三重・桑名の上げ馬神事」(『産経web』)ださうです。伊藤希望記者(?)の執筆です。上げ馬神事に関しては他の新聞にも出てゐます。ポイントは、「動物愛護団体による刑事告発もあり、廃止を求める声も高まったが、長年の伝統を大幅に変更した上で継続される。」といふ点です。しかし、他紙では問題ありといふか、つつ込み不足でした。この記事ではその部分、かうあります。「壁をなくすことで豊凶を占う神事のあり方そのものが揺らぎかねないが、多度大社の担当者は『豊凶などを占うこと自体は変わらない。神社側がいい悪いを判断してきたわけではない。地区の方々がどう受け止めるかどうかだ』としている。」要するに豊凶を占ふ点に関しては氏子にその判断を任せるといふことです。常識的には登り切れば豊作、登れなければ凶作となると思ふのですが、今年からほとんど全頭が登れるはずです。さうなると毎年すべての地区で豊作といふことになるのでせうか。動物愛護団体のコメントにはこの部分はすつぽり抜け落ちてゐます。馬以外には関心ないといふことでせう。最後にかうあります。「例年は地元の6地区が参加していたが、今年は3地区のみになる。担当者は神事を継続していくためには『時代に合った祭りにしていかなければいけない』と強調した上で、『人馬ともに安全で、 楽しいお祭りになれば』と話した。」豊橋牟呂の神事相撲も時代に合はせて、戦後、みんな平等にといふことで2番勝負の1勝1敗となりました。上げ馬神事もかういふ方向に変はつていくといふことでせうか。

2024年5月2日木曜日

9000歩

・「健康寿命を延ばすには『1日9000歩』、超えてもほとんど差はなし…京都府立医 科大チーム分析」(『読売オンライン』)ださうです。「介護などを必要とせず、自立した生活ができる期間を表す『健康寿命』を延ばすために目標となる歩数は1日9000歩だと、京都府立医科大の西真宏助教(循環器内科学)らのチームが発表した。2019年 に行われた国の健康や医療に関する二つの調査データを解析し」た結果です。この歩数に関してはいろいろゐはれてゐますが、8000歩といふのが有名なもの、これで良いのかどうかです。結果は、「1日9000歩までは、歩数が増えるにつれて効果が明確に高まるが、超えるとほとんど差が出なかった。年齢や男女による差はなかったという。」ことゆゑ、8000歩では少々足りぬといふことになり、逆に1万歩では多いことになります。微妙な差でせうか。記事には、「9000歩を達成すれば別のことに時間を注ぐことができ、効率よく健康な生活を目指せる」といふコメントがあります。そんなものでせうか。余裕のある人は違ふと思ひます。しかし、他のことはともかく、やるべきことはやれるやうになりたいと思ひます。如何。

2024年5月1日水曜日

捏造

・「読売新聞記者を諭旨退職処分 紅麴問題で談話捏造、編集局長ら更迭へ」 (『asahi.com』)ださうです。「小林製薬の製品による健康被害に関する読売新聞の報道をめぐり、読売新聞大阪本社は、小林製薬の取引先企業の談話を捏造(ねつぞう)した大阪本社社会部主任(48)を諭旨退職、取材に当たった岡山支局記者(53)を記者職から外す職種転換と休職1カ月の懲戒処分とすることを決めた。」朝日が読売をけなしてゐるといふ感じの記事です。具体的には、「読売新聞は6日夕刊で、小林製薬の紅麴(こうじ)を原料に使った企業の社長の発言として『突然、『危険性がある』と言われて驚いた』『補償について小林製薬から明確な連絡はなく、早く説明してほしい』と報じた。(原文改行)読売新聞によると、これらの発言は、原稿のとりまとめをした主任が捏造した。取材にあたった岡山支局記者は、社長の発言内容と異なることを認識しながら修正や削除を求めなかったという。」捏造理由は、「岡山支局から届いた原稿のトーンが、自分がイメージしていたものと違った」、だから社会部の意見に従つたといふことのやうです。誰もが目にすることのできる記事です。専制国家ではありません。嘘つけばすぐにばれます。自分のイメージよりも事実です。よく分かつてゐるはずなのに、ベテランでもかういふことをするのですね。朝日も2度と読売如きまちがひをしないやうにしてほしいと切に思ひます。

2024年4月30日火曜日

無料の

・「宿題もリポートも生成AIが作った『正解』丸写し、教諭は嘆く『これじゃ無料の代 行業者だ』」(『読売オンライン』)ださうです。「東京都内の私立中高一貫校の英語科教諭(56)はため息をついた。昨年度の冬休み、中1の生徒に英語で日記を書く宿題を出したところ、現在完了形など教えていない英文法が使われ、ミスもない『素晴らしい英文』の日記が、何人もの生徒から提出されてきたのだ。(原文改行)生成AI(人工知能)が使われたことは疑いようもない。」といふわけで、「[生成AI考]第2部 悩める現場<1>」の始まりです。現在は簡単にAIが使へます。感想文でも、日記でも、何でもかでもAIに代筆させることができます。出す方はAIなどで代筆させてほしいとは思つてゐません。生徒は楽をしたいし、文章を書くのが苦手ときてゐる。何でも良いからとにかく書かねばならぬ、といふわけでやつつけ仕事でも書いて出した。代行業者が出てくれば他人に代行させ、AIが出てくれば……といふわけで、書く気がないか、書く能力がないと思つてゐる生徒はAI頼みとなります。「国立情報学研究所の佐藤一郎教授(情報学)は『学習に後ろ向きな生徒は生成AIに頼り切りになり、思考力や創造力の育成が阻害される。学力格差が広がる恐れがある』と警鐘を鳴らす。」と言ひますが、これは当然のことです。思考放棄以外の何物でもない。中学でこの有様です。「大学での影響はさらに深刻だ。」といふことで大学も出てきます。単位不認定等は当然です。問題は使ひ方です。禁止は不可能です。見抜くのもなかなか難しい。使ひ方をどうするかです。しかしこれは更に難しい。どうするか。連載ではこれに対する答が出てくるのかどうか。「教育や行政、ビジネス、医療、スポーツの現場から、課題と対策を探る。」これが最後の一文です。

2024年4月29日月曜日

9年連続

・「『海がきれいになった』から?消えた春の風物詩 9年連続禁漁に嘆息」 (『asahi.com』)ださうです、「甘辛く炊いた『くぎ煮』や天ぷらなどで親しまれ、『春の風物詩』と呼ばれるイカナゴの漁獲量が全国で激減している。東海地方の伊勢湾では、コウナゴ(イカナゴの仔稚魚(しちぎょ))の試験操業でも全く水揚げがなく、この春も9年連続の禁漁が決まった。なぜいなくなったのか。」といふ、その理由の解説記事です。コウナゴについて、「3月23日、コウナゴ漁の是非を決める試験操業で、伊勢湾内の4カ所で網を引いたが、コウナゴの姿は確認できなかった。」といふ伊勢湾が象徴してゐるやうに、「今はコウナゴの気配も感じられない」といふ状況です。コウナゴがゐない。なぜか。「愛知県水産試験場の中村元彦主任によると、海水温が上がる夏になると、イカナゴは伊勢湾の入り口付近の砂場に潜って『夏眠(かみん)』する。だが2014年以降、この夏眠魚が減り、やせ始めた。やせると産卵ができず、数が減っていく。」その結果としての現状です。しかし記事から詳細を知ることはできません。有料記事ゆゑにこの先は読めないからです。ただ、海がきれいになつて物が採れなくなつたといふ話は他でも聞きます。これもその類なのでせう。きれいになりすぎるのが悪いのか、きれいになる、そのなり方が悪いのか。いづれにせよ10年続いてゐます。この先はどうなるのでせうか。自然を壊すとなかなか元にはもどれないといふことでせう。あるいは、夏の暑さも関係してゐるのか。漁業も大変です。

2024年4月28日日曜日

あの音

・「緊急地震速報が怖いのはなぜ? 『あの音』の生みの親に聞く」(『毎日jp)ださうです、「最大震度5弱以上の地震が予測された際、NHKがテレビやラジオで流す緊急地震速報のチャイム音『チャラン チャラン』という旋律。騒がしい場所でもくっきりと聞こえ、恐ろしく感じるのはなぜだろうか。」といふ、その音の解説記事です。「あれを作つたのは作ったのは『福祉工学』を研究する東京大名誉教授の伊福部達さん(78)。ゴジラのテーマの作曲者として知られる故・伊福部昭さんのおいに当たる。」人です。「伊福部さんによると、緊急地震速報のチャイムには、音程が短い時間で急激に変わる 旋律が使われている。音は振動として伝わり、耳の奥で振動が電気信号に変換され脳に伝わる。この経路で音の変化を抽出する機能が働いているため、雑音の中でも、聴力が衰えても聞き取りやすいという。」のですが、これは「叔父の昭さんが手がけた交響曲『シンフォニア・タプカーラ』の第3楽章の最初の和音に着目。キーを変えると『ド・ミ・ソ・シ♭・レ♯』という和音になり、『レ♯』が緊張感を与えていたことから、この和音をベースにチャイム音を作ることにした。」さうです、そしてできたのがあの音です。伊福部 の甥に当たる方が伊福部の音楽を使つた……あれだけでは私には分かりませんが、正統的で適切な使ひ方でせう。あの不協和は衝撃的 です。この先、何度も聞くことになりさうな音です。心して聞きませうか。

2024年4月27日土曜日

AirTag

・「狙われる高級BONSAI『国内で盗品は流通しづらいが…』愛知の盆栽園、一晩で 40鉢被害」(『中日新聞 CHUNICHI Web』)ださうです、「高級盆栽を盗んだとして、愛知県警は26日、窃盗の疑い で、県内に住むベトナム国籍の男2人を逮捕、送検したと発表した。『BONSAI』として海外で人気が高まる中、県警は、ベトナ ム人窃盗グループが海外に転売する目的で盗んでいたとみて調べている。」とかですが、盆栽の盗難自体はかなり以前からありまし た。海外での盆栽人気のゆゑです。この記事の問題は、「盗まれた盆栽に紛失防止用の小型通信機器『AirTag(エアタグ)』が 取り付けられていたことから、実行役とみられる2人の関与が浮上した。」といふところです。AirTagですか。落とし物や忘れ 物探しに役立つたといふ話は聞きます。盗難にも役立つのだとは改めて知つたことでした。盗難も落とし物や忘れ物と同じといへば同 じです。行方知れずなだけです。だから役に立つのですね。当然です。見えないところにつけておけば盗まれても追跡できます。これ を機に AirTag利用が増えるかもしれません。とまれ、海外での盆栽人気は良しとしても、人の物を盗むのはあまりに安直です。自分で 作つてから売りなさい……。