2024年4月10日水曜日

膵島

・「糖尿病患者にブタの膵臓組織を移植、国際医療研など臨床研究…特殊カプセルに包み拒絶反応を防止」(『読売オンライン』)ださうです。「膵臓の細胞が正常に働かない1型糖尿病患者に、ブタの膵臓組織『膵島』を移植する臨床研究を、国立国際医療研究センターなどのチームが来年にも実施する計画であることがわかった。」とか。この膵島移植はこれまでも行はれてゐます。もちろんヒトのを移植するのですが、膵臓そのものの移植ではなくその一部のみの移植といふことで、広く、かどうかは分かりませんが、それなりに行はれてきました。今回のはブタの膵島移植です。ブタのとつくところが違ひます。具体的には、「同チームの計画では、生後2~3週間のブタの膵臓から、血糖値を下げるインスリンホルモンを分泌する細胞の塊『膵島』を取り出す。人に移植したときに 起こる拒絶反応を防ぐため、直径0・5~1ミリ・メートルの特殊なカプセルで1~3個程度の膵島を包む。(原文改行)そのうえで、数十万個の膵島を1型糖尿病患者の体内に移植して壊れた細胞の機能を代替させる。」といふものです。これには「免疫抑制剤を使わないで済む可能性が高く、体への負担も軽い。」といふことがあります。そして、ポイントは膵島をカプセルに包むといふところです。これは、たぶん、「動物の臓器や組織を医療に使うことに対する国民の心理的な抵抗感に配慮しながら」といふことだと思ひます。他の動物の臓器を体に入れることに対しては、人間、誰しも抵抗があります。医学的には様々な処置を施して移植するわけですから、そのリスクは生体腎移植とそれほど違はないはずです。これからも異種移植が行はれていくはずです。問題はいつの時点でそれが社会的に認められるかです。レシピエントと家族の問題でせうか。それともその周りの人達の問題でせうか。いづれにせよ「異種」ではあります。